温水洗浄便座は快適なトイレ環境を実現する一方で、「電気代はどのくらいかかるのか?」を気にする方も少なくありません。
特に瞬間式と貯湯式では構造の違いから、年間で数千円もの差が生まれることもあります。
この記事では、温水洗浄便座の電気代の目安、仕組みの違い・タイプ別の比較、そして効果的な節電方法まで詳しく解説します。
目次
温水洗浄便座の電気代はいくら?
温水洗浄便座の電気代は、タイプや使い方によって大きく変わります。
ここでは、一般的な電気代の目安や計算方法、消費電力の考え方を順に見ていきましょう。
一般的な電気代の目安(月・年単位)
家庭で使用する温水洗浄便座の電気代は、月あたり約100〜400円、年間では約1,200〜4,800円が目安とされています。
使用頻度や季節、便座の設定温度によって差はありますが、電気代全体に占める割合はそれほど大きくありません。
主な電力消費の要素は次の3つです。
- 便座の保温(待機時の電力消費)
- 温水タンクの保温または瞬間加熱
- 洗浄や乾燥機能の使用時電力
特に便座や温水タンクの保温が、電気代の大半を占めます。
電気代の計算方法と考え方
温水洗浄便座の電気代は、「1kWhあたりの電力量単価」と「1日の使用電力量」から算出できます。
一般的な電力単価は27円/kWh前後で、次のように計算します。
計算式:電気代(円)= 消費電力量(kWh) × 電力単価(円/kWh)
たとえば、1日に0.3kWh消費する場合は「0.3 × 27 × 365 ≒ 2,960円/年」が目安になります。
この式をもとにすれば、各家庭の使用頻度に応じておおよその電気代を見積もることができます。
消費電力と使用時間の関係
温水洗浄便座の定格消費電力は、貯湯式で約1,200W前後、瞬間式で約800W前後ですが、実際にこの出力で長時間稼働しているわけではありません。
保温機能はサーモスタットで制御されており、電源ONのままでも断続的に通電するため待機電力が発生します。
1kWhあたりの電気料金を27円とした場合、たとえば便座の保温で0.1kWh/日消費すれば、月約80円、年約960円になります。
瞬間式と貯湯式で電気代はどのくらい違う?
温水洗浄便座の電気代は、構造の違いによって2倍近く差が出ることがあります。
ここでは、貯湯式と瞬間式の特徴を踏まえ、電気代と使用感の違いを整理します。
貯湯式の特徴と電気代

貯湯式はタンク内にお湯を貯めて保温する構造のため、常に電力を消費します。
特に冬場は保温電力が増え、待機時の電気代が高くなりやすいのが特徴です。
- 年間電気代の目安:3,590〜4,940円(27円/kWh)
- メリット:本体価格が安く、設置しやすい
- デメリット:待機電力がかかり続ける
単身世帯や使用頻度の少ない家庭では十分実用的ですが、長時間稼働させる家庭では電気代がかさみやすくなります。
瞬間式の特徴と電気代

瞬間式は洗浄時に必要な分だけ瞬時にお湯を加熱するタイプです。
保温が不要なため待機電力がほとんどかからず、省エネ性能が高いのが特徴です。
- 年間電気代の目安:1,570〜3,460円(27円/kWh)
- メリット:電気代が安く、省エネ性が高い
- デメリット:本体価格が高め
家族が多く使用頻度の高い家庭では、トータルコストで瞬間式の方が有利になることが多いとされています。
瞬間式と貯湯式の比較表
| 項目 | 貯湯式 | 瞬間式 |
| 本体価格 | 安い | 高い |
| 電気代 | 待機時にかかり高くなりやすい | 使用時のみで安くなりやすい |
| サイズ | やや大きめ | コンパクト |
| 連続使用 | 長時間の連続使用で水温低下の可能性 | 使用状況に左右されにくく水温が安定しやすい |
| 向いている家庭 | 単身・少人数 | 家族が多い・省エネ重視 |
貯湯式と瞬間式の違いは、初期費用だけでなくランニングコストにも表れます。
資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ電子版(2025年版)」によれば、節電機能を使用した場合の年間電気代は以下のとおりです。
- 貯湯式:3,590〜4,940円
- 瞬間式:1,570〜3,460円
新しいモデルほど省エネ設計が進んでおり、とくに両タイプの「年間電気代の差」は広がる傾向にあります。
出典:資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ電子版(2025年8月1日版)」
また、電気代の差は構造だけでなく、家庭の使い方によっても変わります。
利用環境別に見た電気代の違い
温水洗浄便座の電気代は、家族の人数や使用回数、季節によっても変わります。
ここでは、平均的な使用状況をもとに、タイプ別に目安を整理します。
| 利用環境 | 使用回数/日 | 貯湯式の年間電気代目安 | 瞬間式の年間電気代目安 |
| 一人暮らし(約5回/日) | 少 | 約2,000〜3,000円 | 約1,000〜2,000円 |
| 4人家族(約20回/日) | 多 | 約4,000〜5,000円 | 約2,000〜3,500円 |
| 冬季(寒冷地) | 高 | 約5,000〜6,000円 | 約3,000〜4,000円 |
※資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ(2025年版)」掲載値と平均使用回数をもとに試算。
温水洗浄便座の電気代を節約する5つの方法
温水洗浄便座の電気代は、使い方や設定を少し工夫するだけでも年間で違いが出ることがあります。
特に貯湯式タイプは常にお湯を温めているため待機電力が多く、省エネ対策の効果が表れやすいのが特徴です。
ここでは、家庭で無理なく取り入れられる5つの節電方法を紹介します。
1. 節電モード・タイマー機能を活用する
多くの温水洗浄便座には「節電モード」や「切タイマー」が搭載されています。
就寝中や外出時など、使わない時間帯の保温運転を自動で停止することで、待機電力を抑えることができます。
たとえば、1日8時間保温を止めるだけでも、年間で数百円〜1,000円程度の節約につながるとされています。
メーカーの試験結果でも、節電モードを活用することで一定の電気代削減効果が確認されています(機種や使用条件により異なります)。
こうした「待機電力の削減」は、資源エネルギー庁が家庭の省エネ対策としても推奨しています。
出典:経済産業省資源エネルギー庁 風呂・トイレ | 無理のない省エネ節約
2. 数日以上使わないときは主電源を切る
旅行や出張などで数日使わない場合は、主電源をオフにするかコンセントを抜きましょう。
電源を入れたままだと、貯湯タンクの保温により1日あたり0.05〜0.1kWhの電力を消費します。
1週間不在にするだけでも約10〜20円、1ヶ月では約40〜80円の節約につながる場合があります。
特に貯湯式モデルは待機電力が高いため、長期不在時は電源を切るだけでも効果的です。
3. 便座温度・温水温度を下げる
便座や温水の温度設定を1〜2℃下げるだけでも、ヒーターの稼働時間が短くなり電力消費を抑えられます。
公的データでは、温度設定を下げることでおおよそ数百円程度の節電につながると示されています。
さらに、使わないときに便座のフタを閉めるだけでも、年間を通じて着実な節電効果が得られる傾向があります。
これらの行動はCO₂排出削減にも寄与し、日常の小さな工夫を積み重ねることで、年間の電気代を数千円程度抑えられる場合もあります。
また、便座カバーを併用すれば熱の逃げを防ぎ、快適さを保ちながらさらに節電効果を高められます。
4. 使用頻度に合わせた設定にする
単身世帯など使用頻度が少ない家庭では、「使う直前に電源を入れる」運用も有効です。
常時保温をやめることで、年間で数百円〜1,000円程度の節約につながる場合があります。
一方で、家族が多く使用回数が多い場合は、頻繁に電源を入れ直すよりも常時保温のほうが効率的なケースもあります。
生活スタイルに合わせて設定を見直すことが大切です。
5. 省エネ性能の高い機種に買い替える
ここまでの「設定見直し」に加えて、より本質的に電気代を抑えるには機種選定も有効です。
資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ電子版(2025年版)」によると、節電機能を使用した場合の年間電気代は次のとおりです。
- 貯湯式:約3,590〜4,940円/年
- 瞬間式:約1,570〜3,460円/年
瞬間式は必要なときだけ瞬時にお湯を沸かすため、待機電力がほとんど発生しません。
家庭によっては、数年の使用で本体価格の差を電気代で相殺できるケースもあります。
なお、温水洗浄便座は「機器・建材トップランナー制度」の対象機器でもあり、メーカーは法的基準に基づいて省エネ性能の改善に取り組んでいます。
出典:経済産業省資源エネルギー庁「機器・建材トップランナー制度」
温水洗浄便座の電気代を左右するその他の要因
節電の工夫だけでなく、使用環境や機種の状態によっても電気代は変化します。
ここでは、見落とされがちな要因を解説します。
使用環境(室温・断熱)
冬場は室温が低くなるため、便座や貯湯タンクの保温により多くの電力を使います。
断熱性の高いトイレや、便座カバー・保温シートを使うだけでも、熱損失を抑えて電気代を節約できます。
また、トイレ内の温度を一定に保つことでヒーター稼働の回数を減らすことができ、電力消費の安定化にもつながります。
設置年数・機種の古さ
古い機種ほど待機電力が多く、省エネ性能も劣ります。
近年のモデルでは、温水タンクの断熱性や加熱効率が改善されており、10年以上前のモデルから買い替えると年間で電気代が下がるケースもあります。
また、使用頻度が高い家庭では内部部品の劣化によって余分な電力を消費する場合もあるため、定期的な点検や買い替え検討もおすすめです。
まとめ
温水洗浄便座の電気代は月100〜400円ほどで、日常的な出費としては大きくありません。
しかし、瞬間式と貯湯式の違いや設定方法次第で、年間では数千円単位の差が出ることもあります。
節電モードの活用や温度設定の見直し、そして省エネ型モデルへの買い替えを意識することで、快適さを維持しながら着実に電気代を抑えることができます。




