当社で運営している
「NAKAHARA DENKI Free Information Gallery」は
札幌時計台の裏で、北海道のアール・ブリュット作品をメインに展示しているギャラリーです。
アール・ブリュットとは?
「専門的な美術教育を受けていない人のアート」という意味
「アール・ブリュット」とは、専門的な美術教育を受けていない人が、湧き上がる衝動に従って制作するアートを総称する言葉で、「加工されていない芸術」という意味のフランス語「art brut」が語源です。
フランス語の「brut」が「生のまま、自然のまま」という意味であることから、「生(き)の芸術」とも訳されます。
また、英語ではoutsider artと言われております。
「アール・ブリュット」の名称を考案したのはフランスの画家「ジャン・デュビュッフェ」(1901年~1985年)です。
デュビュッフェは、ワイン商を営みながら絵を描き、1944年に43歳で初めての個展を開いた遅咲きの画家でもあります。
日本のアール・ブリュットとは?
日本のアール・ブリュットの芸術家の多くは、精神的・知的障害を持つ人や、刑務所の受刑者などの作品が多く、絵画や造形作品、民族芸術など、多岐にわたる分野の作品があります。
ヨーロッパでの日本のアール・ブリュット人気の火つけ役となったのは、2008年、世界的に有名なローザンヌの「アール・ブリュット・コレクション」で開催された日本人作家12人による作品展です。
作品展は大きな反響を呼び、その後2010年頃からはパリをはじめとしたヨーロッパ各地で日本のアール・ブリュット展が開催されるようになりました。
続く2012年にはヨーロッパ巡回展「アール・ブリュット・フロム・ジャパン」がスタートし、2013年のロンドン開催時には9万4千人の来場者を記録しました。
また同年、世界的に名高いヴェネチアのビエンナーレ国際美術展に澤田真一さんのアール・ブリュット作品が展示されたことで、日本のアール・ブリュットに対するヨーロッパの認識と関心は更に高まりました。
特に日本の作品は、手先の器用な人が創作するものやひらがな・カタカナ・漢字と多種類の文字を使いこなす日本独特の文化・感性から創作されるものも多く、近年は日本国内でも注目を浴びつつあります。